【第23回 山登りの思い出】理科 小林秀樹先生 | 東明館中学校・高等学校

◆教員リレーコラム◆

第23回の担当は・・・小林秀樹先生(理科)

お題『山登りの思い出

 

 若かりし頃、北アルプス(槍ヶ岳・奥穂高岳・西穂高岳・剱岳・立山・白馬岳・・・)などの夏山登山に十数回チャレンジしました。不注意や無理をしていたら滑落または遭難したかなと思うことがたびたびありましたが、3,000m級の山々を登り切って、静寂の中で山頂からの眺めは抜群!

 人気の少ない早朝に上高地を出発し、イワナの姿が見えるほど透明度抜群の梓川の川岸沿いを歩きながら西穂高岳から槍ヶ岳まで連なる穂高連峰の景色に圧倒され、これから登る山を見ながら心わくわくしたものです。しかし、上高地の長野県警詰所に登山計画書を届けた際、黒板に死者・・名、負傷者・・名と掲示してあるのを見て、不安と緊張を感じました。(山岳雑誌の地図には西穂高岳から槍ヶ岳までの縦走ルートに滑落注意マークが10箇所記載)

 動物に出会うことも。槍ヶ岳から下山途中に首からお腹が白色で、顔・背中がこげ茶色のオコジョ(イタチの仲間)が岩の間から出入りする姿がかわいらしく、また変わった鳴き声がするなと思っていたら3mほど先のハイマツの中を歩いている雷鳥の親子を見つけ、驚かさないようにそっと写真を撮ったことも。高山植物にもたくさん出会いましたが、ザレ場にひっそりとピンク色の可憐な花を咲かせたコマクサが一番印象に残っています。

 常念岳(標高2,857m)に登頂したとき、遠くの槍ヶ岳・穂高連峰の山々の眺めは叫びたくなるくらい素晴らしく感動的なものでした。登頂後に宿泊した山小屋を朝早く出発して尾根伝いに下山していたとき、進行方向右側の山間に霧がかかり、左側から太陽の光が差し込み、私の影が霧に投影し、影のまわりに同心円状に虹が架かっていることに気づき、慌ててリックを放り出し、無我夢中で撮った1枚の思い出の写真(後方右端が槍ヶ岳)です。初めて遭遇した貴重な“ブロッケン現象”でした。うれしくて一人ガッツポーズでした。一瞬、仏様になった気分!?(自慢話でした。)

   

毎週金曜日更新! 次回は行武英治先生②(国語) お題は『マンガ歴』です。