» 【第5回 渋谷直美先生 (国語)】お題:急ぐことなかれ

◆教員リレーコラム◆

第5回の担当は・・・渋谷直美先生 (国語)

お題『急ぐことなかれ』

 

 今年の桜も早かった。例年少しずつ、桜の開花が早くなっている、そんな気がする。東明桜を新入生と新入生の保護者に見て頂きたかった。東明館学園が開校した間もない頃は桜の木も小さく細く、これが桜の木なのかと思っていたが、気が付いたらこんなにも大きな桜の木となり、町内の人たちをも楽しみな桜へと成長した。まるで東明館学園で3年間または6年間学んで巣立っていった卒業生たちのように、すくすくと育ち、誰かを幸せにするために笑顔にするために咲いているようにも思える。

 今年は桜だけではなく、藤の花、花みずき、さつきなど、花たちが咲き急いでいるように思われて仕方がない。もっとのんびりと咲いてもいいんじゃないかと呟く私がいる。

 三度の飯より花が好き。花を愛でるのが大好きである。部屋に季節の花が一輪でも飾っているだけで、私の心は満たされる。学生時代、花が好きで、小さな小さな花屋に花を一輪だけ買いに行った。花屋のご主人があまりにも定期的に買いにくるので、時にはおまけに花を添えてくれた。嬉しかった。嬉しくて、また花を買いに行く。友人には「花を買うのならば、食べ物を買ったら」といつも笑われていた。食費を抑えても、花が欲しかった。バイトと仕送りの中で花一輪を買うのも精いっぱいだった学生時代。それでも花を一輪だけ部屋に飾ることを続けていた。よって、三度の飯より花が好きと友人たちに揶揄された。留学生の友人のひとりは「なぜ、切り花にするのか。自然のままが一番きれいなのに」とゼミの教室に飾った一輪の花を見て怒っていた。また別の留学生は「この花の名前は何?」と聞いてくれた。花ひとつで話が弾むこともよくあったものだ。今となれば懐かしい思い出である。

 さて、地球温暖化の影響かもしれないが、植物たちが咲き急いでいる気がしてならない。もっとのんびりと、のんびりと、咲いてもいいんじゃないかと思う今日この頃である。今、東明館学園を取り囲む山々は新緑が眩しくて、まさしく「山笑う」季節である。今年、本校に入学した1年生たちが慌てずあせらず、少しずつ東明館学園に染まっていくといいなと思う。そしてあなたの花を咲かしてほしい。誰かのために。社会のために。

 

毎週金曜日更新! 次回は福島正先生(教頭) お題は『「聞く」と「聴く」』です。