【第2回 漢方薬】理科 吉松信幸先生 | 東明館中学校・高等学校

◆教員リレーコラム◆

第2回の担当は・・・吉松信幸先生(化学、学校薬剤師、スポーツファーマシスト) 

お題『漢方薬』

 

 最も有名な漢方薬といえば「葛根湯」でしょう。風邪の初期症状で処方されます。作用は、体の表面に流れている気(衛気)を強くすることで、外から邪気をブロックし、体を守ります。臨床試験でも、免疫作用の増強が確認されています。ちょっと違った使い方ですが、実は葛根湯は、肩こり、首筋のこわばり、頭痛にも効果があります。寒気がするが汗は出ない場合にも効果があります。葛根湯の処方には、生姜(ショウキョウ)が入っており、体を温めてくれます。基本的に急性期に使う薬で、発症後1,2日が目安です。

 漢方薬は、やさしい薬のイメージですが、アスリートの方はご注意ください。漢方薬にも、世界アンチ・ドーピング機構が定めた禁止表国際基準に掲載されている成分を含むものもあります。実は、葛根湯もその一つです。

 

毎週金曜日更新! 次回は栗原淳先生 (数学) お題は『人間万事塞翁が馬』です。